<特別寄稿>
たまプラフレンズ・松本茂(少年)
小田原電力バス見学会レポート

(レポートの前に)
9月12日(金)たまプラnetwork(たまプラフレンズ)では,次世代郊外まちづくりの関係者や地域の皆さんに呼びかけて,小田原電力見学会を行いました。
東日本大震災以来,全国で市民電力が立ち上がっていますが,たまプラーザでは次世代郊外まちづくり住民創発プロジェクトから,ついに9月26日「株式会社たまプラーザぶんぶん電力」が設立され動き始めました。
私たち,たまプラnetworkは,さまざまなまちづくりプロジェクトをつなぎ応援する住民主導型のネットワークをめざしていますが,今回の小田原電力見学会は,たまプラーザぶんぶん電力の支援企画ともいうべきものです。
小田原市では,東日本大震災による原発事故の後,特産の足柄茶から放射性物質が検出され,一時観光客が激減するなど,大きな痛手を受けました。そこで,かまぼこメーカーや魚市場など地元企業38社が出資して2012年12月「ほうとくエネルギー株式会社」を設立。
市の公共施設「屋根貸し」事業への応募をはじめ,大規模太陽光発電や小水力発電プロジェクトなど,市民と協働で再生可能エネルギーの導入を進めています。
http://www.houtoku-energy.com/

たまプラーザとは,立地も条件も違いますが,百聞は一見に如かず。大規模太陽光発電や学校の屋根貸しを一目見てみよう,小水力発電の話も聞いてみたい,と企画しました。
また,このバス見学会には昨年9月の第1回講評会での認定から始まった住民創発プロジェクトのこの一年の活動を慰労する,慰安旅行的な意味もこめられています。
見学ツアーの最後は,有名な鈴廣かまぼこで創エネ,省エネの工夫を見学した後,地元の食材を使った鈴廣の地産地消レストラン「えれんなごっそ」で懇親会というという計画です。

今回のレポート執筆は,たまプラフレンズ代表で,私の高校の後輩でもある松本茂さんにお願いしました。
当日は,朝バスに乗った時から,小学生のころの社会科見学を思い出したらしく,ハイテンションでニコニコしていたと思ったら,原稿もすっかり小学生になりきって書いてこられました。(小学生のくせにきれいな若い女性に目がいくところがあやしいですが。)
克明なレポートは,参加いただい森ノオトのレポーターさんにいずれ譲るとして,まずは松本さんの愉快な小学生絵日記的レポートをお読みください。(辺見)

スケジュール 
8:30 たまプラーザ出発
10:30 富水小学校 小田原市太陽光発電屋根貸し事業実施施設の見学
11:10 大規模太陽光発電所(メガソーラー)の見学
11:30 わんんぱくランドで昼食
11:50 大正時代の小水力発電所遺構の見学
12:20 小水力発電所遺構 沈砂池跡の見学
(13:05 荻窪用水の見学は時間の都合で中止)
13:30 鈴廣(太陽熱、地熱利用施設の見学)
14:00 小田原電力=ほうとくエネルギー㈱の事業開始までの経緯と今後の計画
質疑応答、説明。
15:00 懇親会(鈴廣えれんなごっそ)

■小学校屋上の太陽光発電システムにメガソーラーの話、昔の水力発電の話、
鈴廣かまぼこの省エネ・創エネの話、すごく勉強になったよ。
いっぱい歩いて、おいしいものをいっぱい食べて、ほんとに楽しい一日だったよ。
小田原写真①
9月19日小田原電力の見学会に行ってきたよ。総勢24人。最高の天気だったな!8:30出発だったけど、10分前には皆集合していました(1人を除いて・・・)。
千葉さん(交流の森)がなかなか来ないので、置いていっちゃおうかなと思っていたら、3分前に到着。東急電鉄の東浦さんと岡本さんは最初の見学地、富水(とみず)小学校で合流です。

定刻の8:30に出発しました。バスの中では、たまプラフレンズの辺見さんと僕が進行役で今日の流れを説明したよ。その後ひとりひとり自己紹介。堀内さん(シェア奥沢)の自己紹介は長かったなぁ。藤井さん(AOBA+ART)は短かった。
平塚パーキングエリアで休憩を取り(僕はお気に入りのバニラと抹茶のミックスソフトクリームを食べました。)予定通り小田原の富水小学校に到着!

お出迎えしてくれたのは、ほうとくエネルギー㈱副社長の志澤さんと富水小学校の穂坂校長先生。志澤さんは一日ずっと一緒だった。早速学校の屋上へと案内されました。屋上には太陽光パネルがたくさん並んでいたな。
なぜ富水小学校にパネルを設置したかというと、小学生の環境教育に役立てたいということと、災害時の避難場所なので電気が来なくなっても、補助電力として使用できるからだって校長先生が説明してくれたよ。他に2ヵ所で富水小学校と同じようにパネルを設置しているんだって。(小田原市太陽光発電屋根貸し事業)

次に行ったのは大規模太陽光発電所。メガソーラーって言うんだ。山道をどんどん登っていったよ。出迎えてくれたのは、地主さんの辻村さん。とっても優しそうなおじさんだったよ。山のずっと向こうまで約20万坪が辻村さんの土地なんだって。すごいな。
さっき学校で見たような太陽光パネルがたくさん並んでいたんだ。事業費は3億8600万円。そのうち1億円は市民の人たちから集めたんだ。10月8日から東京電力に電気を売るんだって。電力会社に電気を売るっておもしろいよね。
その後、辻村さん自慢の見晴らし場所に行きました。小田原の市街地と相模湾が見渡せました。とてもいい眺めでしたよ、辻村さん!
高圧線が邪魔だなとか、喋ってるおじさんたちもいたな。空気読んでよね。
そしてまたまた辻村さん自慢の樹齢300年の杉の木を見せてもらいました。

すぐ近くのわんぱくランドにバスを停めて昼食タ~イム!僕はコンビニでお弁当を買ってきたんだ。3時から鈴廣の食べ放題レストランで懇親会があって,そこでいっぱい食べるから,小さなお弁当にしたよ。

次に行ったのは小水力発電所の跡地(発電機跡)。大正時代に、辻村家の製材所で使う電気を作っていたんだって。ドイツ製の発電機があったんだけど、戦時中に盗まれてしまったんだ。残念だよね。
その後、上流の小水力発電所(沈砂池跡)に行って、記念写真をパチリ!
ここで辻村さんとはお別れ。ありがとうございました。

そして最終見学地,かまぼこの鈴廣さんへ。ここで出迎えてくれたのは、秘書課の小野山さん。とっても美人だったよ。大学を卒業してすぐに秘書課に配属されたんだって。電話番号までは教えてくれなかったな。
そうそう、何で鈴廣っていうか知ってる?明治20年頃、六代目鈴木廣吉さんが、蒲鉾製造を本業として、屋号を「鈴廣」にしたんだって。昔の社長さんの名前だったんだね。今の社長さんも、鈴木博晶さんていうんだ。ほうとくエネルギー㈱の役員さんでもあるんだよ。
鈴廣さんも省エネ・創エネに熱心な会社で、地熱や太陽光を使って、給湯や換気、発電に利用しているんだ。いろいろ見学した後で、レストラン「えれんなごっそ」の2階にあるレクチャー会場へ。ここで、志澤さんから今日のまとめのお話を聞きました。鈴廣の副社長さんもお話してくれたよ。みんな親切にしてくれて本当にいい一日でした。

この後はおまちかねの懇親会!
「えれんなごっそ」は小田原の方言で「いろいろなごちそう」という意味なんだって。お料理と飲み物、おいしかったなぁ・・・。

それにしても今日は、よく歩いたよ。きっとこればビールを美味しく飲むための・・・辺見さんの作戦・・・だったのかも。辺見さんはビールが大好きなんだ。みんなそう言ってたよ。

文/松本茂 写真/辺見真智子

’小田原③
富水小学校の太陽光発電システム
小田原市太陽光発電屋根貸し事業の設置事業者,ほうとくエネルギー(株)により設置されました。
小田原写真②
停電時に自立運転用コンセントから電気を取り出せる仕組み。
発電出力50.96kW 年間想定発電量51,290kWh
富水小学校以外にも2施設に設置されていて年間想定発電量の合計は124,012kWh
’’小田原③
’’’小田原③
ほうとくエネルギー(株)のメガソーラー
(所在地) 小田原市久野字亀甲山
(事業費) 3億8,600万円 資金調達の一部に市民出資を取り入れています。
(発電所概要) 建設面積 約1.8ha (5,445坪)
(設備容量) 984kW
(年間想定発電量) 948.182kWh (約260世帯分の年間電力消費量に相当)
(ほうとくエネルギー(株)見学資料より)
小田原③ー2
小田原④
小田原市久野の山林内にある大正時代に建設された小水力発電所の跡地。
発電機が設置されていた場所。
(所在地) 小田原市久野の山林内
(建設時期) 大正8~12年
(設備容量) 約117kW  (当時)
(用途) 製材所への給電,紡績工場への売電 (当時)
(ほうとくエネルギー(株)見学資料より)
小田原⑥
発電のための水を一時的に溜めておく沈砂池跡で記念撮影。
後列右端がほうとくエネルギー(株) 副社長の志澤昌彦さん。
右から4番目が土地所有者である辻村百樹さん。
小田原⑤
鈴廣かまぼこで太陽光発電システムや太陽熱利用給湯システム,地中熱利用換気システムを見学。鈴廣の鈴木悌介副社長は、「脱原発を目指す経済人」として知られる。自社の省エネ・創エネを進めるとともに、ほうとくエネルギー(株)に出資。

<特別寄稿> 
岡本正義さん(東急電鉄)
下町商店街の散策つき
TOKYO油田見学ツアー
レポート

IMG_0391
■たまプラ油田開発プロジェクトとは・・・
次世代郊外まちづくり・住民創発プロジェクトに認定された15企画のうちの一つ「たまプラ油田開発プロジェクト」(以下,たまプラ油田)。
このプロジェクトは、たまプラーザ地域の家庭や飲食店等で排出された廃食油を回収し,クリーンなバイオ燃料にリサイクルすると同時に発電機の燃料として利用して,その売電収入などでコミュニティバスの運行を目指す企画です。
横浜市と東急電鉄が進めている次世代郊外まちづくりは,2014年度のリーディング・プロジェクトとして「地域のエネルギーマネジメントに向けた仕組みづくり」を推進しており,たまプラ油田の今後の展開に向けても連携・協力を考えています。

たまプラ油田の廃食油リサイクルを担当するのは、墨田区にある株式会社ユーズ(TOKYO油田)という会社です。今回東急電鉄から、たまプラ油田の代表・村田ちさとさんにユーズの工場見学をお願いしたところ、下町の商店街の散策を含めた「TOKYO油田見学ツアー」が企画されました。そこで「たまプラnetwork」の辺見さんにご協力いただき,住民創発プロジェクト参加者の皆さまにもお声掛けをしました。
5月22日の見学ツアー当日は,地域の皆さまと横浜市・東急電鉄合わせて約20名が参加。ユーズの代表・染谷ゆみさんと村田さんに,工場と下町の商店街をご案内いただきました。

世界で初めて廃食油のバイオディーゼル燃料化に成功したリサイクル工場の見学レポートは以下のとおりです。

IMG_0393OLYMPUS DIGITAL CAMERA
■環境にやさしい電気バスで押上駅を出発!
参加者は押上駅で集合です。ガイド役で颯爽と登場の染谷さん。移動には墨田区内循環バスを利用しました。環境に配慮した小型電気バスのその静かな乗心地と外観がとても印象に残りました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERA
■下町人情を大切にする,キラキラ橘商店街を散策
循環バスを降りて最初に見学したのは,キラキラ橘商店街。京成曳舟駅から徒歩5分,昭和の風情があふれ,下町人情を大切にしている商店街です。
街路灯をよく見ると,いろいろな種類の風景画がフラッグで飾られています。これは,葛飾北斎の浮世絵「富嶽三十六景」。45基の街路灯の一つ一つに,詳しい説明書きも付けられていました。

imageOLYMPUS DIGITAL CAMERA
■江戸菓子「砂糖漬」の製法技術を伝える梅鉢屋
次に見学したのは,江戸の技「砂糖漬」を守り続ける唯一の菓舗,梅鉢屋。砂糖漬とは,新鮮な野菜・果物をそのままお菓子に仕立てた野菜菓子のこと。この日はご主人のご厚意により,砂糖漬やお店の歴史,そして実際の厨房で製法・技術について教えていただきました。
砂糖漬けは,江戸時代に農産物・海産物の長期保存を目的として糖蜜で加工したことが発祥と言われていて,漬け物などの「塩漬」に対し「砂糖漬」と呼ばれ出回っていたとのこと。現在では梅鉢屋が,江戸時代からの砂糖漬・野菜菓子の技法を忠実に伝える唯一の菓舗だそうです。

OLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERA
■油田モール見学。TOKYO油田2017とは?
次に,株式会社ユーズが運営する「油田モール」を見学。油田モールとは,「環境にやさしい21世紀のまちづくり」をテーマに,株式会社ユーズの本社内にオープンさせたマルチ・テナント型のコミュニティスペース。ここで,染谷さんから「TOKYO油田2017」について詳しくご説明いただきました。

「TOKYO油田2017」は,首都圏の家庭や飲食店等で使い終わった廃食油を回収し,二酸化炭素を増やさないバイオディーゼル燃料などに再資源化することで,資源循環型社会をみんなでつくる新時代のリサイクルプロジェクトです。

天ぷら油を日本で一番使うのが東京とのこと。染谷さんは,2017年までに東京で使われたすべての廃食油の再資源化を目標に掲げ,プロジェクト名称を「TOKYO油田2017」としたそうです。

DSC00496DSC00497OLYMPUS DIGITAL CAMERAOLYMPUS DIGITAL CAMERA
■廃食油をバイオ燃料に精製する工場へ
そしていよいよ,世界で初めて廃食油のディーゼル燃料化に成功した工場の見学です。工場内に入るとさっそく,廃食油をディーゼル燃料,VDF(ベジタブル・ディーゼル・フューエル)に精製する生産プラントが目に入りました。想像よりもコンパクトなサイズに参加者もびっくり。2畳ほどのスペースしかとらないこのVDF生産ミニプラントは販売もしているそうです。
なお,家庭で出たサラダオイル・ごま油・オリーブオイルなどの植物油,ラードなどの動物性油など,食用の油はすべてリサイクル処理ができるとのこと。

VDFは廃食油の再利用(リサイクル)というだけでなく,硫黄酸化物を出さず・黒煙が軽油の1/3以下と地球にやさしいクリーンなエネルギー。TOKYO油田の回収トラックはすべて,ここで精製したVDF燃料で動いているそうです。
資源の循環と生活環境への貢献を実現する独自の技術と染谷さんの熱い思いが,この工場には詰まっていました。

たまプラーザでも,現在数ヵ所で使用済み食用油の回収を行っています。たまプラーザで集まった油も,この工場で精製されて再資源化されることになります。
ツアーに同行して工場と周辺地域を案内してくださった染谷さんに大変感謝するとともに,この日は,たまプラ油田の成功による資源循環型コミュニティの実現に参加者全員が想いを馳せる一日となりました。

(写真/野渕幹生・岡本正義  文/岡本正義)

<特別寄稿>
たまプラのIT隊長、千葉恭弘さん
桜の街の「マッピングパーティ」

1マッピング

ネット上で独自の地図を作ろう。
マッピングパーティってご存知ですか?
多分ほとんどの方が知らないと思います。
最近インターネット上で様々な地図サービスが利用できるようになり、自分たち独自の地図を作成しようという動きが地域活動をしている団体でちょっとしたトレンドになっています。身近なところでは地図上に美味しいお店の情報を載せたり、エコ活動や防災活動などを進めている団体では情報の種類別に地図に関連付けて情報を「見える化」しています。
我がたまプラ次世代郊外まちづくり住民創発プロジェクトでもこの新しい表現手段を活動の中に取り込もうと、たまプラーザの街で街路樹マッピングパーティーを企画しました。(交流の森・たまプラnetwork共催)
時期的には桜満開のたまプラーザ桜まつりに合わせて、街歩きとお祭りを楽しみ、同時にマップ登録までやってしまおうという欲張りな企画です。終了後の交流会も目玉の一つです。ウォッチする対象はもちろん桜とユリノキ、とくにたまプラの貴重な資源である桜をこの際、徹底的に調べて記録します。
当日はマップの専門家オープンストリートマップ・ファウンデーション・ジャパン(OSM) の飯田哲氏、シビックテクノロジーの専門家コードフォジャパン(CfJ)の関治之氏、植生の専門家 住友林業の伊藤俊哉氏など、錚々たる方々がサポートにまわります。CfJのメンバーも10名を超える方々がボランティアで参加です。

■桜まつり会場・次世代郊外まちづくりのブース前に集合。
マッピング24月5日イベント当日、雨模様の天気が気になります。10時に実行委員は桜まつりの会場である美しが丘公園に集合。街歩きに必要な地図、グループ登録シート、会場表示サイン、地図登録のマニュアルなど実行委員の大野承さんが完璧に準備してスタンバイ。時折り雨が強く降り、季節外れの寒さに満開の桜も震えているようです。開始予定の11時になると三々五々参加メンバーが集合して来ました。

■世界中で活用されるオープンストリートマップ
スマホを使って地図登録するグループは「デジタル班」、手書きメモ派は「アナログ班」として分け、各班内に4~5名でグループを構成します。各グループには街歩きのコースが割り当てられます。今回のウォッチのポイントは樹木の位置情報、幹の太さ、木の高さや植生の健康状態などを観測します。各樹木にはすでに管理番号(青葉土木事務所)が振られているので、この番号との紐つけもします。
CfJのメンバーをリーダーにして各グループに別れ、マップ記録の手順をレクチャーしてもらった後、グループ単位での行動に移行しました。まずランチをみんなでとる班、スマホやノートを片手に早速街に繰り出す班、子供ごころに帰って遠足の時のようにウキウキしています。
私はデジタル班のBグループに入りました。ここでデジタル班の登録ツールとして使った「オープンストリートマップ」とは何かをOSM JapanのWebサイトから引用すると、「 OpenStreetMap(OSM)は、道路地図などの地理情報データを誰でも利用できるよう、フリーの地理情報データを作成することを目的としたプロジェクトです。誰でも自由に参加して、誰でも自由に編集でき、誰でも自由に利用する事が出来ます。」
Web上にはその他にもマップ機能を提供する幾つかのサービスがあります。代表的なものはGoogle Mapでしょう。これらのマップ機能はライセンス条項が結構きびしく、印刷物に自由に掲載することなどは制限されています。それに対してオープンストリートマップは登録・編集・引用・掲載など自由に利用することができ、OpenStreetMap Foundationにより世界中での活用が進められています。そしてパソコンやスマホなどから簡単にマップ登録ができるように専用の「アプリ」が用意されており、街歩きにはうってつけです。

■樹木の測定は・・・
3マッピングさて、マッピングパーティの開始です。気になっている雨はうまい具合に止んで青空がのぞき始めました。我がBグループには美しが丘公園から伸びている公園通りの右側(通称「桜並木」)が観察地域として割り当てられました。
満開の桜のハイライトエリアです。
マップへの登録はリーダーがもっぱら担当、記録班は木の高さや幹の太さ、管理番号などを書きとめながら証拠写真を撮っていきます。
樹木の位置はスマホのGPS機能で自動的に記録され、樹木の高さは、人が手を挙げた高さがほぼ2mでこれを目安に何倍かを目視で測ります。

マッピング4

幹の太さは持参のテープで測定します。
マッピング5

樹木の健康状態のチェックでは、木に苔が生えているとか、空洞化が進んでいるなどの状態を記録します。切り倒されてしまった木の切り株などもしっかり記録に残します。

■途中、美味しいパン屋さんにちょっと寄り道。マッピング6
公園通りの中ほどに天然酵母のパン屋さんを見つけ、ちょっと買い食い。美味しい!
Bグループは進捗具合が速い! 1時間もしない内に割り当てられた区画の測定は終わってしまいそうです。これで終わりかと思っているところで、実行委員パトロール隊に遭遇。
あまりの速さに、「・・・それならあと2区画を実施すべし!」というミッションを与えられました。世の中、甘くない! 新たに駅前通りを東急百貨店の前からイトーヨーカドーの先のブロックまで、気を取り直して再度挑戦。

■ミッション追加・・・東急百貨店の前からイトーヨーカドーまで
マッピング7おかげで、東急の2Fから伸びている歩道橋の上から素晴らしい桜景色が撮れました。桜の高さを測るために歩道橋に上ったのですが、新たな発見をしました。この通りは緩やかな下り坂になっているのですが、桜の高さが上に行くほど低くなっていて、見事に東急百貨店の建物の高さに揃っているのです。設計時点で計画的に配置されたのかな! さて、ヨーカドーの角を廻ると我々のミッションは完了。やっと終わった。
マッピング8
マッピング9

疲れた身体を引きずってスタート地点の美しが丘公園までたどり着き、ここで記念写真をパチリ!
これがBグループの雄姿です。
皆様お疲れ様でした。

■最後に登録と編集。 楽しかった! またやりましょう!
マッピング10まだまだ最後の工程が残っています。しばらく桜まつりを銘々で楽しんだ後、3時より美しが丘中部自治会館に再度集結。地図上の登録・編集作業です。アナログ班は記録してきたノートからオープンストリートマップに改めてパソコンを使って登録をします。デジタル班はすでに登録済みの樹木データを編集・微調整しながら整えていきます。CfJのメンバーはさすがに慣れています。1時間もしない内に作業終了です。
その後OSMの飯田さんからオープンストリートマップの紹介があり、完成済みのマップが披露されました。OSMから提供されているAPIを使うとマップ自体を自分達好みに編集できそうです。
完成マップ上に見えるグリーンの点(冒頭の写真)が今回のマッピングパーティで登録した観察樹木です。これからもアイディア次第でこのマップを使って楽しいイベントを仕込むことができるでしょう。
最後に住友林業の伊藤さんからグリーンエコロジーのレクチャーがあり、植生の知識の乏しい私には目から鱗のお話でした。
フィナーレは交流会です。これが目的で参加した人も多そう。お酒も入って和気あいあいと、新しい出会いがあり、また他の団体の活動を改めて知ることができ、本当に楽しいひとときでした。サポートしていただいた皆様、ありがとうございました。
最後に全員で集合写真。またやりましょう!8マッピング写真(大野さん)IMG_5885

OpenStreetMap Foundation Japan
http://osm.jp/

CODE for JAPAN
http://code4japan.org/

(写真/千葉恭弘・大野承   文/千葉恭弘)

3年後のあるべき姿を考えよう!
起業勉強会
「ソーシャルビジネス起業と
持続発展に求められる視点」
レポート

起業勉強会写真2

2014年3月31日たまプラーザ地域ケアプラザで、たまプラnetwork主催、起業勉強会「ソーシャルビジネス起業と持続発展に求められる視点」が開かれました。
講師はETIC.の佐々木健介さんです。出席者は19名。

■ETIC.とは

ETIC.佐々木 健介さん

ETIC.佐々木健介さん

ETIC.(特定非営利活動法人エティック)は、ソーシャルビジネスの起業支援を通して起業家型リーダーの育成と社会のイノベーションを目指すNPOです。
1993年早稲田大学で起業家を目指す学生が集まり、勉強会としてスタート、1997年事務局機能の拡大にともない、事務局の名称を「ETIC.(エティック)」に統一。学生団体からNPO事業体へ移行しました。
2000年3月経済企画庁(現内閣府)よりNPO法人(特定非営利活動法人)に認証。
2008年は企業連携を強化した年です。この年に起こったリーマンショックにより、なぜ働くか、が問われるようになりました。また、企業の社会的役割が問い直された年でもあります。
2011年は、3月11日に東北大震災が起きた年です。この年は震災復興リーダー支援プログラムを立ち上げ、仕事を辞めて復興の手伝いに若者たちが東北に向かいました。
ETIC.は組織に依存せず、自立したい、自分の想いと仕事の距離を近づけたい、社会も地域も家族も自分も生かしていく可能性を求める若者を応援してきました。
新たな時代の一つの生き方として社会起業家が注目された年でもありました。
スタッフは70名(うち専従36名)※2013年12月現在HPより
今回お話をしていただいた佐々木健介さんはインキュベーション事業部マネージャーをされています。

■企業は社会的役割を、NPOは価値創造を。
何をどうすれば満足できるのか?
1990年のバブル崩壊以降、経済成長が停滞したことから、若者たちに変化が現れました。今までのように企業に勤めて、与えられた仕事をするよりも、何か地域の役に立ちたい、人の役に立ちたいと考える若者が出てきました。それを受けて企業も、ただ商売をして儲ければいいという姿勢から、社会的役割を果たすことが求められるようになりました。NPOが注目を集め始めたのもちょうど同じ時期です。
ここでいくつかの問題が起きました。
例えば、地域活動はどうしたら事業化できるか?
地域に貢献することでメシが食えるかということです。
地域活動は、そもそも行政や企業が取り組まない、あるいは取り組めない分野です。というのも、注目度が低く、元々採算が取れない分野だからです。
NPOはそこで、ボランティアという枠組みを超えて、社会的企業(ソーシャルビジネス)と言う新しいジャンルを作り始めていきました。
そこでは、NPOが新たな価値を創造し、その担い手として発展していきました。
ETIC.ではそれらをふまえて、2001年にソーシャルビジネスを行う社会起業家(ソーシャル・アントレプレナー)支援をスタートさせました。

さて、地域活動は、息長く継続的に、多くの人を巻き込む動きにすることこそが重要です。
そこで、我々が考えなければならないのは、
なぜそのプロジェクト(地域課題の解決=地域活動)をするのか?
どこまでやりたいか? 何をどうすれば満足できるのか?
そこに自分はどこまで関与したいのか?
何ができそうか? 何は他の人に委ねなければならないか?
と、いうことだと佐々木さんは言われます。

■実現したいことは何か?
さらに、事業化するに際して、問い直すべきことがあります。
実現したいことは何か?
自分の最適な関わり方は何か? 仕事として? 地域活動として?
あるいは、そのプロジェクトの中で専門家役なのか、火付け役なのか、事務局役なのか。
また、事業化は本当に必要なのか? ボランタリーな動きでも継続可能なのか。
独立した組織が必要なのか? 既存の組織を活用できないのか。
続けることが本当に必要な活動なのか? きっかけづくりや起爆剤としての役割を果たせばよいのではないか。

みずからの問題意識を絶えず問い直し、どんなサービスを届けたいのか? 対象は誰なのか? 自分の強みは何なのか、足りない部分はどこで、どうやって補うのか? 他の人とどうやって組んでいくのか?
たくさんのことを検討することが求められます。

■3年後のあるべき姿を描くこと。
事例紹介。

NPO1佐々木さんは、これらの答えを出す一つの方法として「3年後のあるべき姿を考える」と言われました。
3年後に何をするか、どこまでやるか、どういう体制でやるか、3年後のあるべき姿を描くことによって、今自分がやるべきことが明確になります。

いくつかの事例が挙げられました。
最初の事例は、がん患者の相談に乗る専門家集団のネットワークを作った北海道の女医さんの話。(杉山絢子さん "がん"のよろず相談窓口 CAN net)
3年後の目標は、年間5000人の相談に乗れる状況を作りたい。年に5000人ということは、月に約400人。相談者が一人二人ではとても無理です。そこで、まず相談の内容を把握して専門家に振るための5人の事務局を雇うことを決めました。こうやって具体的な数字を決めることで、事業に必要な人員、予算、組織構成などが見えてきます。
次の事例は、日本酒で地域を元気にする活動「出張日本酒BAR」。(道前理緒さん)
常設の店舗を用意して経営していくのは大変ですが、一夜限りの店を地域で場所を借りて開くなら可能ではないかというアイデアです。
この出張BARは、大の日本酒党の道前さんがセレクトした極上の日本酒が飲めるということで、ネット上の呼びかけで来た人たちや一夜だけ開いているのでちょっと行ってみようかという近所の人たちが集まって盛り上がっているそうです。
また、介護者の支援事業の事例(誰もが自然に介護ができる社会を目指して「となりの介護」川内潤さん)や悩みを持つ人をサポートする(傾聴ボランティア)NPOが市の受託事業として年間900万円で始めた事業の事例(特定非営利活動法人アーモンド コミュニティ ネットワーク)なども紹介されました。

■着眼大局、着手小局
3年後、どうなりたいか、何をどうしたいか、漠然とではなく、具体的にそれを考えて、出していきます。次に出てきたあるべき姿を実現するにはどうしたらいいか、具体化していきます。考える段階で、忘れてはならないことは、必ず紙に書き出して、見える形にすることです。
この作業を何度も繰り返し行うことで、徐々に考えとあるべき姿がまとまっていきます。
ここで重要なのは、「着眼大局、着手小局」。まず、眼をつける時は全体を大きく見て想を練り、そして、実践は小さなことを積み重ねていきます。
具体化する段階では、対象の絞り込みを行います。対象をどうするか、初めは対象を絞り込み、徐々に対象を広げていった方が成功する確率は高くなります。

■「ポジティブな解体」もアリ。
また、この段階では、各メンバーが目指すものがはっきりしてきます。自分の目指すものと違うことをしても徒労に終わることが多く、途中でやめることになりがちです。
この段階では、目指すものが違えば、組織とメンバーがポジティブに解体したり、別のメンバーが加わったりすることも大切なことです。

■ボランタリーな活動で行われる「まちづくり」は、より多くの人を巻き込んでいけるのか・・・
勉強会参加者は、次世代郊外まちづくり住民創発プロジェクトの関係者が大半でしたが、今後それぞれのプロジェクトを継続していく活動資金をどうするのか、また活動にかかわる人はずっとボランティアの奉仕でいいのか、実は大きな問題をどのプロジェクトも抱えているようにみえます。
とりわけすべてがボランタリーな活動で行われる「まちづくり」は、本当の意味で社会的な認知が得られるのか、より多くの人を巻き込んでいけるのか・・・こんな想いから、この勉強会は企画されました。
プロジェクトにかかわる一員として、改めて佐々木さんの問いかけの一つ一つを検証していきたいと思いました。

ETIC. (Entrepreneurial Training for Innovative Communities.)
https://www.etic.or.jp/

CAN net
http://can-net.jp/

となりの介護
http://blog.livedoor.jp/kawajun1980/

特定非営利活動法人アーモンド コミュニティ ネットワーク
http://almondcommunitynetwork.com/

(写真/辺見真智子 文/立山徹)

<特別寄稿>
美しが丘中学校 今年度の卒業生
林 銀次郎さん
中学生が考える未来のたまプラ
「美中プラン発表会」レポート

DSC01123-2

「たまプラーザって実は凄いことをしているんだな」

3月7日金曜日、たまプラーザテラス プラーザホールで、僕ら美しが丘中学校の3年生による「次世代郊外まちづくり シビックプライド 美中プラン」のプレゼンテーションが行われました。
この日が来るまで、社会科公民の授業で、未来のたまプラーザをどのような「まち」にしたいか、ということをグループごとに話し合い、それぞれ発表の準備をしてきました。

当日、僕が一番驚いた事は、会場の雰囲気です。
僕や他の生徒達の想像では、会議室のような部屋の中に中学校の先生と保護者、東急電鉄さんの関係者くらいしかいないと思っていました。
しかし実際は、大きなホールの中に一般の方々や大学の先生、石塚計画デザイン事務所の方々、それにカメラマンやメディアの方々までいたのです。びっくりしましたよ。

「たかが公立の小さな中学校がやる事なのに、こんなに本格的なことしてくれるの!?」
その時は、思わずそう感じました。きっと他の皆もそうだったでしょう。

僕らが暮らすこのまちでは、それほどの取り組みをしているんだな、そのことを今まで気がつかなかっただけで、たまプラーザって実は凄いことをしているんだな、とそんな気持ちになりました。
DSC01127-2

僕のグループでは「自然を生かす」というテーマで、人と自然との関わりを大事にしたい、ということについて考えてきたことを発表しました。模造紙には伝わりやすいように木のイラストを描いて工夫をしました。発表も上出来だったと思います。

他のグループの発表についても色々と感じたことはあります。
「自然を生かす」や「落ち葉拾い」、「電柱を地下に埋める」、「グルメ活性化」、「ゴミ箱設置」などなど、グループそれぞれのテーマがたくさん出ていたし、同じようなテーマでも、模造紙の書き方や発表内容は様々だったので、どのグループの発表も興味深く聞くことが出来ました。

ですがやっぱり発表の内容よりも、会場に入っただけで感じたあの雰囲気の方が印象に残っています。笑

たまプラーザの未来を担うのは僕ら若者だと思います。今回のプレゼンテーションはとても良い刺激になり、また勉強になりました。ここで学んだことをたまプラーザのまちづくりに役立てていきたいと思いました。

そして、僕たち美中生にこんな素晴らしい場を用意してもらったことに感謝しています。
(文/林 銀次郎)

林 銀次郎 (はやし ぎんじろう) さん プロフィール
1999年生まれ 将来は海外に関わりのある仕事を希望。
好きな食べ物はフレンチトースト(!)

(写真/大野承・辺見真智子)

DSC01121-2
▲ポスターセッション
会場に立てかけられたポスターに中学生,保護者,一般来場者などが「いいね!シール」を貼り,素晴らしい提案に投票しました。
DSC01125-3
▲各クラスで最も「いいね!シール」数が多かった3つのプラン。(左から1組,2組,3組)

IMG_4710

プレゼン修了後は「いいね!シール」の多かった3提案の代表者が紹介され,東京理科大学の伊藤香織先生が講評。先生や来場者からはお褒めの言葉とともに厳しい質問も出ましたが,3人の中学生たちは見事に答え,会場からは感嘆の声が。

▼グループごとに一生懸命考えた提案と工夫を凝らしたポスターの一部。
石塚計画デザイン事務所・千葉晋也さんの美中出張授業「プレゼンテーション/伝える力を学ぼう」(1月30日)がしっかりいかされています。
DSC01136-2
DSC01130-2
DSC01138-2

まちづくりの拠点をたまプラに
第1回場づくりワークショップ開催

DSC01066
2月2日(日)たまプラーザ地域ケアプラザで、第1回場づくりワークショップが、東京大学大学院小泉秀樹先生、建築家の末光弘和さんを迎え、約30名が参加して行われました。(次世代郊外まちづくり住民創発プロジェクト「交流の森」「たまプラフレンズ」共催)

当日のプログラムは、
1.開会挨拶
2.ロードマップの確認
3.末光さんからの情報提供
4.3人ワークショップ「現状と課題」
5.3人ワークショップ「どんなことしたい」「どんな機能がほしい」
6.末光さんコメント
7.小泉先生講評
8.閉会挨拶

進行は藤本が担当。
進行は藤本が担当。

まず、ロードマップの確認   3回のワークショップと横浜市、東急電鉄との協議を重ねながら、9月の住民創発プロジェクト報告会を目標に、コンセプト、デザイン、設備機能、事業計画、運営計画をまとめていこうというものです。

s2-rordmap

次に、末光さんからの情報提供

DSC01060
これまで検討してきた「交流の場」のプランについて説明がありました。
A.たまプラーザ駅前、美しが丘中部自治会館前交差点、美しが丘公園の「3拠点分散案」
B.美しが丘公園を拠点とした「交流の塔と可動ユニット案」
C.美しが丘中部自治会館前の交差点を活用した「4つ角案」
D.美しが丘公園に複数配置する「成長ユニット案」

そして、ワークショップです。

場のWSDSC01087

石塚先生にファシリテーション勉強会(*)で教えていただいた、「3人ワークショップ」のスタイルと「くくりシート」を早速応用します。(*「ファシリテーション勉強会=1月19日開催、講師は石塚計画デザイン事務所の石塚雅明先生。たまプラフレンズ主催)
みなさん、手慣れたものです。ポストイットに書いて、くくりシートに貼っていきます。
勉強会に出席した方は、習熟度も進んでいます。
参加者のみなさんが、コレと思うものに、カラーシールを貼って、ワークショップは終了。

DSC01084
DSC01116

それを後日まとめたもの

s2-genjyo
s2-want
s2-kino

最後に、末光さんのコメントと小泉先生の講評をいただきました。
4月中には、第2回場づくりワークショップを開催する予定ですので、よろしくお願いします。

(写真/立山徹   文/藤本孝)

 

横浜北部防災アイディアソン
若い世代も参加する
新しい防災訓練のかたち


image001

2月10日(月)、都筑区の東京都市大学横浜キャンパスで横浜オープンデータソリューション発展委員会と青葉区民会議の主催で防災をテーマにしたアイディアソンが行われました。次世代郊外まちづくり住民創発PJからは「交流の森」と「あおばフレンズ」が参加しました。

目次
1.イベント概要
2.アイディアソンの様子
3.主催者からのご案内
4.東京都市大学 上野教授の後日談

1.イベント概要(主催者より) 
これまで横浜オープンデータソリューション発展委員会は、防災に関して、旭区左近山団地周辺で、リスト株式会社、株式会社野毛印刷社、ジオリパブリックジャパン、東京都市大学メディア情報学部上野研究室などと協力しながら防災科学研究所で開発されたオープンソースのweb GISのeコミマップやガリバーマップを用いた防災街歩きを行い、地域における防災データの充実と横浜市のオープンデータである防災データを関連づける活動を行ってきました。

今回は、こうした活動をさらに展開するために以前から防災に関する研究会、街歩きを数多く実施されてきた青葉区民会議の皆さんと防災というテーマを中心としたアイディアソンを行うことになりました。

このアイディアソンでは、eコミマップの他、AR、その他、使えるものは何でも使うことを想定しています。対象領域は、青葉区、都筑区など横浜北部とします。また、アイディアソンは、防災を主なテーマとしますが、地域の魅力発信といったものもテーマにします。

タイムスケジュール
17:00-18:00 アプリ紹介、活動報告、使えるデータの紹介
18:00-19:30 アイディアソン
19:30-20:00 まとめ発表
20:15分頃よりシェアリーカフェ(NPO法人 I Loveつづきが運営するコミュニティカフェ)で交流会

 

2.アイディアソンの様子            image002

冒頭、東京都市大学の上野教授から今回の開催についての趣旨説明がありました。そのあと上野研究室の田村さん(3年生)から「eコミマップ」、「左近山イベント」、「防災家族」、「AR」の紹介がプロジェクターを使って行われました。

eコミマップ
http://ecom-plat.jp/index.php?gid=10457

旭区左近山防災街歩き
http://opendata.mods.jp/sakonyama/

防災家族
https://bousai-kazoku.jp/index.php

ARプロジェクト
http://ueno-lab.com/ar_project/ 

                                                  image003

そのなかで、参加者の関心が高かったのは『すごい避難訓練ゲーム //Race to Survive//』です。もともと「すごい避難訓練」と「防災ボードゲーム」という二つのアイデアを融合した企画で、現在“絶賛開発中!”とのこと。 完成されると各地で防災訓練に採用されるのではないでしょうか。
http://www.slideshare.net/inuro/run-tosurvive

 前半を終えたところで参加者の自己紹介があり、教授、学生、自治体職員、市民活動家、市議など多様な参加者がバランスよくグループに分かれて、防災をテーマにアイディアソンが開始されました。

私のグループでは、「従来の防災訓練は若い世代の参加が少なく、主催者動員型で形骸化しているのではないか」との意見から始まりました。

そして、災害図上訓練のように、シュミレーションゲームなどの手法を取り入れて、若い世代の参画や参加者自身が創意工夫して行動を考える訓練に変えれば、楽しく身に着く訓練になるのではないかという考えに集約されてきました。

具体的なアイディアとして、「心配な独居高齢者や要援護者の安否確認と防災拠点への搬送」や「真冬の避難所(体育館)生活体験」をゲームを取り入れた訓練で体験する。また、いっときの訓練で終わらせずにその体験を持続させるために、自分の分身(アバタ―)をスマートフォンアプリ上につくって、訓練以降もサバイバルさせ、リアルとネットの組み合わせで防災意識を高めるという、学生ならではの発想が盛り込まれました。負けじと市民活動家から、インセンティブに商店街クーポンを発行すれば地元商店振興にもなるというアイディアが加えられました。

image004

image005

グループごとの発表においても、“ゲーミフェケーション”というキーワードが繰り返し聞かれました。

上野教授から、「横浜市のリスト株式会社が行っているCSR活動『スポーツゴミ拾い』という“ゲーミフィケーション”された街の清掃活動が標準化され高い評価を得ているように、横浜北部からも防災をテーマにした様々な“ゲーミフィケーション”された防災訓練を試みて、それが標準化していければいい」とのご意見や、オープンデータの活用を推進している横浜市政策局の関口さんからは、今回のアイディアを「2/17締切の総務省主催のアプリコンテストへの投げかけ」「2/22の横浜オープンデータデイでの試み」「2/16青葉区民会議『減災講座』で区役所とアイディアを共有して今後の素地づくり」に活かしていきたいと心強いご発言もいただきました。

こうして盛会に終わったアイディアソンのあと、NPO法人 I Loveつづきが運営するコミュニティカフェ(Shairlycafe)に移動して交流会が開かれました。このコミュニティカフェが、また素晴らしい! ぜひ、たまプラーザにも欲しいと切に思うほどの・・・。

⇒2月28日に「交流の森」が見学をする予定なのでご紹介は別の機会に委ねましょう。

ご準備と采配をいただいたオーナーの岩室理事長に感謝申し上げます。
http://shairly.com/

 

3.主催者からご案内

1.「横浜オープンデータデイ」のイベント
2月22日に横浜大さん橋周辺で「横浜オープンデータデイ」が開催されます。

当日は、5つの分科会で、オープンデータを用いた市民参加の様々な企画があります。ぜひご参加ください。青葉・都筑での活動とも連携して、イベント後も横浜全体で盛り上げていければと思っています。
http://yokohamaopendata.jp/?p=187

2.「青葉区民会議 減災講座」
2月16日(日)1時半より青葉区役所4階 会議室

一部 青葉区医師会会長 山本さんより
・「青葉区の災害時応急医療」
・地域防災拠点と医療拠点(現災害時診療定点拠点)との連携など
二部 パネルディスカッション
「つなごう 地域力」
・地域で災害に取り組む人たちを交えて佐藤榮一さんの進行でさまざまな「これはっ!」という取り組みを聞き意見交換をします。
・桂小学校 救援隊-新しい支援の仕組み(山崎誠さん)
・ピッピ保育園  子育て施設と地域(鹿野奈津子さん)
・あざみ野第二小学校 医療拠点訓練も取り入れて!(西本和彦さん)
三部 減災ネットワークあおば を公開します。
・みなさんで創る防災に強いまち「あおば」のためにつながる!!をめざします。あなたの参加がつながりの一歩です。
このあと交流会です。
特別参加があります。
・横浜市政策局からオープンデータを防災へ。
・東京都市大学(上野先生)「防災アプリ eコミマップ」をどう使うか。
などなど、盛りだくさんの一日となります。
ぜひ、お友だち、防災拠点の仲間をお誘いのうえお出でください。

4.上野教授 後日談

昨日の「横浜北部防災アイディアソン」では、私なりに新たに見えてきたことが多かったです。みなさま、ありがとうございました。

世銀防災・減災ハッカソン名古屋会場の最優秀作品のrace to surviveと昨日の防災アイディアソンで、見えてきたというのは、以下のようなことです。
まず、改めて再確認されたことは、すでに青葉区では、青葉区民会議を中心に、避難所シミュレーション、図上避難訓練、医師、看護師を含めたレスキュー体制づくりといったリアルな状況を想定したシミュレーションがかなり行われているということです。

これにrace to surviveのようなある想定、設定、シナリオを入れたゲーム的要素を入れると、シミュレーション自体に、格段と膨らみが出てきて、面白くなるように思いました。

こうした防災シミュレーション・ゲームを考えるとき、スマートフォン・アプリは、アプリとして閉じたものではなくなります。従来ゲーム・アプリとは、どうしても、パソコン、あるいは、スマホの中で完結したものだったと思います。

しかし、防災シミュレーション・ゲームの構成要素は、まず第一に、リアルな街、地域であり、第二に、その街、地域の防災関連のデータです。さらに、そういうリアルなものをベースとしたシナリオであり、さらに、参加者のそこでのアクションです。

こうしたことを見るなら防災ゲームのアプリは、ゲームの一部を構成するにすぎず、すでにあるもののちょっとしたカスタマイズで十分だということにもなります。

例えば、防災科学研究所のEコミマップにその地域の災害関連のオープンデータをアップし、さらに、刻々と変わるシナリオを伝えるチャット・システムだけで、十分かも知れません。あるいは、以上をデータ、情報、シナリオをAR的に表示することも容易にできるでしょう。

近年は、アプリのデザインとは、アプリそれ自体で完結した世界のデザインではなく、新しい活動のデザイン、体験のデザインであるべきということが言われようになりました。そうであるとするなら、デザインすべきものは、アプリそれ自体ではなく、リアルな場所、データ、想定シナリオ、参加者の可能的活動を含んだ一種の拡張現実的な環境ということになると思います。

(写真/政野祐一)

トップに戻る

武蔵野プレイス
市民がつどい,
ゆるやかにつながる4つの機能


20140203_224504
1月24日(金),「武蔵野プレイス」を有志で見学しました。
武蔵野市立「ひと・まち・情報 創造館 武蔵野プレイス」は,中央線・武蔵境駅から歩いてすぐ。図書館機能に生涯学習支援+市民活動支援+青少年活動支援の機能をプラスした複合機能施設です。(地上4階地下3階)
しかも単なる複合施設ではない,4つの機能が互いに融合し合うような施設,本や活動を通して「人々の交流が自然に生み出される場」,「アクションの連鎖が起こる施設」をめざしています。
まず,惹きつけられるのが内部のデザイン。壁と天井が曲面でつながる,包み込まれるような空間。そして柔らかな照明。
さらに各階もゆるやかにらせん階段でつながります。
開かれたオープンな場と予約が必要な閉じられた場があり,閉じられた場も外から中の気配が感じられる造りになっていて,それぞれのフロアで個人や団体の活動が共有できるような雰囲気があります。
また,隣接の「境南ふれあい広場公園」(約2,000㎡)は,武蔵野プレイスとともに整備されたもの。広々とした芝生広場があり,館内と一体化した野外イベントもできます。
構想から10年を経て平成23年にオープン。総工費45億円超。
年間運営費は4億9千万円。
来館者数約150万人(24年度),1日平均約5000人。
開館時間は9:30~22:00。
http://www.musashino.or.jp/place.html

素晴らしい!

(写真/大野承・立山徹)

武蔵野プレイス正面写真
武蔵境駅から徒歩1分。武蔵プレイスの正面です。
これから見学。みんなわくわく。

武蔵野P13
入るとまずカフェ。17:00からはアルコールもOK。(~22:00)
カフェの脇には雑誌の書架があり,カフェの中でも自由に閲覧できます。
雑誌は,約640誌(24年度)と充実。

武蔵野P2
カフェの厨房と背中合わせの新着・返却本の棚。
1Fには,他に貸ギャラリーや対面朗読室(視覚障害者へのサービス)も。

武蔵野P11
2F こどもライブラリー
子どもたちが靴を脱いで自由に読書したり,お話を聞いたりできる
「おはなしのへや」もあります。

武蔵野P3
3Fは,市民活動団体のサービスステーション。
ここはオープンな相談・打合せコーナー。

武蔵野P5
3F 有料の会議室。外からでも中の様子がわかり,開放的な印象。

DSC01010
3F 登録市民活動団体のためのロッカーと郵便ポスト。
登録市民活動団体の活動がわかる団体別紹介ファイルの棚や
コピー機,印刷機,裁断機,紙折り機を備えた「プリント工房」もあります。

DSC01042
3F スタディコーナー。要予約。皆さんお勉強中。

DSC01015
4F ワーキングデスク。40席の書斎的スペース(有料)。皆さんお仕事中。
他に200人収容の集会スペース(有料)あり。

公園
4Fから見た隣接の境南ふれあい広場公園。
駅前商業地域にある公園は武蔵野市ではここだけ。

4階から地階へ。

メインライブラリ
B1F メインライブラリー。壁と天井がつながったシェル状の空間。

B2スタジオラウンジ
B2F ティーンズスタジオ。
青少年のためのフリースペース。予約不要。ただし20歳以上は利用できません。
フリースペースでも,皆さん見学者を無視してしっかりお勉強中。

武蔵野P15
B2F ダンス,演劇,コーラス用のスタジオ。
他に楽器演奏用スタジオ,調理・美術・工芸用のものづくり用スタジオもあります。
スタジオは有料。青少年の使用料は2時間半で200円!
時間帯によっては大人も使用可。大人は2000円。

ティーンズライブラリ
B2F 芸術系および青少年向け図書のコーナー。ここにはおじさんも入れます。
トップに戻る

ファシリテーション勉強会レポート
スキルの6割は「笑顔とうなづき」

DSC00978
1月19日ファシリテーション勉強会が行われました。(主催/たまプラnetwork)
場所は美しが丘中部自治会館。講師は、ファシリテーションの達人、(株)石塚計画デザイン事務所の石塚雅明先生。時間は15:00から18:00まで。出席者は、次世代郊外まちづくりの住民創発プロジェクトグループのメンバーを中心に合計27名。
20140208_000945
「3時間で身につく! ファシリテーションの技術とワークショップの企画運営力」
この日のために24ページのテキストを用意していただきました。
このテキストには、ファシリテーターとワークショップの要点が凝縮されています。
まず、石塚先生によりファシリテーターの役割についてお話がありました。

「ファシリテーターって何?」
ワークショップのファシリテーターは、話し合いの進行役ですが、参加者の意見を積極的に引き出し、参加者同士がお互いの意見に触発され発想する、創造的な議論を促す役割を担います。
自分の主張を展開したり、議論を決まった方向に誘導したりしてはいけません。
(テキストより)

ワークショップでは、予め決まっている結論に導くのではなく、予断を排除して意見を述べ合うことで、今まで気がつかなかった別の観点や、別の解決の可能性を見つけ出して、問題解決の糸口を探ることに意義があります。

次にファシリテーターの3つのスキルについてお話しいただきました。
1.常に「笑顔とうなづき」を忘れない
2.意見をどんどん書き留める
3.意見を整理し論点を示す (テキストより)
この中で特に「笑顔とうなづき」の重要性を強調されました。

「笑顔とうなづきは、話し合いの基本」
発言しやすい雰囲気をつくるのに「笑顔」は最も大切で効果的!
思わず笑顔で返したくなる、素敵な笑顔を練習しましょう
発言に耳を傾けている(受け止めている)姿勢を示すには「うなづき」が効果的!
(テキストより)

ファシリテーターには「笑顔とうなずき」が重要で、ファシリテーターのスキルの6割と石塚先生は言われました。
「笑顔とうなづき」はあまりにも当たり前で、誰でも出来そうですが、実は、実際にワークショップに参加すると、意見の書き留めや整理に気を取られて、なかなか出来ません。
人は、相手がうなづいてくれるだけで、自分の話を聞いてくれている、もっと話そうという気になります。相手が笑顔だと、こちらも心を開き、話してみようという気になります。
改めて「笑顔とうなづき」の大切さを実感しました。
DSC00967
皆さん、一日習っただけでピアノを完璧に弾ける人っていますか?
モーツァルトでもない限り、一日ではピアノを完璧に弾きこなすことは出来ないでしょう。
1年毎日練習したって、プロのようには引けません。
「笑顔とうなづき」も同じです。
そのことを知っただけで、何か簡単にできるように現代人は錯覚しがちですが、ピアノを習っても一日では弾けないように、「笑顔とうなづき」だって簡単には出来ません。
絶えず、気をつけて、練習してやっと出来るようになります。皆さんも「笑顔とうなづき」を知って満足するのでなく、いつも気をつけて練習してみてください。無意識で「笑顔とうなづき」ができるようになるまで練習すると、コミュニケーション能力の向上にもつながります。
DSC00968
続いて「実習」。4人1組で「私がたまプラで自慢に思うこと」について、ひとりの人が発言した内容を、他の3人が要点をまとめて、ポストイットに書き留めます。
書き留めた内容を皆で振り返ります。次の人が発言し2巡して、終わりました。

「発言を書き留めることの意味」
記憶には限界があります
頭のなかですべてを把握するのは不可能!?(テキストより)

一人が3つの意見を言ったとしたら、8人が議論に参加すると24の意見になります。
それをすべて頭の中で把握することは出来ません。把握できないので、自分が言った意見に固執することになりがちです。
それを防ぐためにも、意見を書き出して、目に見える形にします。

「意見を書き出すときの留意点」
言葉は簡潔にわかりやすく。見やすさも配慮を。
体言止めより「動詞」など言葉に動きを。「形容詞」も。(テキストより)

1枚のポストイットには,1つの意見を書きます。
さらに「発言のくくり」を行い,論点を明確にします。
まず,内容が似たものを集めて「くくりシート」(*)に貼り,「くくりの言葉」=標題をつけます。ここで大事なことは,無理にまとめようとしないで,1枚だけのポストイット(=意見)も「一匹狼」としてどんどん存在させることです。
「くくりの言葉」は発言の内容から飛躍しないように,発言のキーワードを集めて、「良いとこ取り方式」でつくります。また,「できるだけ体言止めにせず,読んで内容がわかる言葉」にします。
20140208_001636
(*)石塚計画デザイン事務所特製「くくりシート」
発言をうまくまとめるために、特製の「くくりシート」が作成されています。
この「くくりシート」を使えば、意見の書かれたポストイットを、事前に、内容ごとにある程度まとめてから,模造紙に貼ることができます。
DSC00974
ポストイットにはサインペンで書き、見出しはマーカーで書きました。
マーカーの「【基本】線の引き方」
長辺が水平になるように持つと見やすい字に
ペンの向きは固定して動かさない→早く書ける
美しくなくてもよいので、見やすい大きな字で
文字に使う色は紫、青、緑、
黄色、赤、オレンジは強調に(テキストより)
このように具体的にマーカーの使い方を習いました。

休憩を挟んで、「ワークショップの企画運営5つのポイント」を勉強しました。
1.目的と成果の活かし方を明確に
2.参加して欲しい人に参加してもらう
3.誰もが話せる話し合いの入り口
4.達成感のある目に見える成果を
5.参加者以外への情報発信も大切 (テキストより)

ワークショップを始める前に、なんのためにやるのか、そしてその成果の活かし方、期待する波及効果を確認します。予定調和的、誘導的な議論ではなく、創発的な議論をめざします。ただし、議論のシミュレーションを事前にしておくのは有効。
どんな人たちに参加して欲しいか。課題を抱えている当事者の声を聞きたいのか、担い手を育成したいのか。また、誰でもできるだけ多くの人に参加して欲しいのか、既存の組織との合意形成が目的なのか。どうしたら,趣旨にかなった参加者を集められるかを考えます。
また、議論の入り口は誰でも話せるテーマで。例えば、プラス要素=○○の自慢は?やマイナス要素=どんなことで困っている?(プラス・マイナス型)、最近感動した体験は?(自己体験型)、心に残る思い出は?(思い出型)、わたしなら,こんなことができる(モチベーション型)など。
そして、ポストイットを貼った模造紙だけでなく、議論の成果のかたちを工夫。
さらに、参加者以外の人たちを取り込む工夫も。
なかなか難しいですね。

次は、いよいよ3人ワークショップの演習です。
DSC00982
「簡単!3人ワークショップ」
普通ワークショップはファシリテーターの力量に左右され、参加人数もファシリテーターの人数次第になります。そこで石塚先生が、ファシリテーターなしでもできるワークショップとして3人ワークショップを考案されました。

3人ワークショップのテーマは「美しが丘公園で拠点づくりを実現させるために、考えなければいけない課題とは何か?」「拠点づくりに多くの住民や応援団をまきこむには何をすればいいかを考えよう!」の2つ。
1.自己紹介
2.各自3~5枚に意見を書き出す
3.意見発表し似た意見を「くくりシート」に貼る
4.「くくりシート」に標題を記入する
5.皆で「くくりシート」の内容を確認する
という手順で行いました。
DSC00985
DSC00988
DSC00993
20140207_212903
20140207_212952
最後に、グループごとに発表し、後ろの壁に貼ってある模造紙に「くくりシート」
を貼り、さらに同じような内容の「くくりシート」を集めてタイトルをつけ,論点を明確にしていきました。その後、一人一人に配られた丸シールを気に入った意見や「くくり」に貼りました。この過程を通して、大きな論点と皆さんがどこに関心を持っているか、どの点が重要と思っているかが浮き彫りにされました。
予定の3時間を30分ほどオーバーして終了しました。
DSC01001
参加者からは「とても勉強になりました、ぜひ、これからも続けて欲しい」
「分かりやすいワークショップで、アイデアや、意見のまとめ方は特に参考になりました」など大好評でした。石塚先生ありがとうございました。
そして、また、ぜひ、続きをお願いします。(写真/立山徹)

(株)石塚計画デザイン事務所 http://www.community-design.jp/

美しが丘中学校で
プレゼンの出張授業。

20140203_224634
1月30日(木),美しが丘中学校3年生の社会科授業で,伝える力を学ぶ「プレゼンテーション」の出張授業が行われました。講師は次世代郊外まちづくりで住民創発プロジェクト各グループの相談役をつとめる石塚計画デザイン事務所東京事務所長の千葉晋也さんです。3年生は今年度,社会科公民的分野で次世代郊外まちづくりを学習中。いよいよ3月7日の発表会(11時~たまプラーザテラス2F・プラーザホール)に向けて,想いを伝えるプレゼンの話し方と模造紙の書き方を勉強しました。
20140130_161523
相手(聞き手)に想いを伝えるには,気にしてもらう(印象づける),好きになってもらう,つまり「両思いの関係づくり」が大事。ということは,プレゼンはラブレターを書くのと同じことなんです,と千葉さん。
美中プレゼン授業テキスト
まず,3人1組になって1分間で想いを伝えます。でも,1分間で全部を話すのは無理。ここで大事なのは,まず,相手が「なんだろう?」と思う「ツカミ」。そして聞き手に「気になる」「もっと聞いてみたい」気持ちが残るような話をすること。服装や身振りも印象づくりに役立ちます。ちなみに千葉先生は,白いフレームのメガネで美中生の印象に残る先生を演出されています。
20140203_224422
「伝わる模造紙のデザイン」の勉強では,実際にマーカーで中抜き文字や立体文字を書いてみました。
短い時間にプレゼンのポイントをぎゅっと凝縮した内容でしたが,とてもわかりやすく,3年生も次回からはいよいよ発表会の準備に入るとあって,熱心に聞き入り,難しい1分間プレゼンも,皆,案外楽しそうにこなしていました。3月7日,中学生たちがどんなまちづくりのアイデアを「プレゼン」してくれるか,話しぶりや模造紙がとても楽しみになってきました。