<特別寄稿>
たまプラフレンズ・松本茂(少年)
小田原電力バス見学会レポート

(レポートの前に)
9月12日(金)たまプラnetwork(たまプラフレンズ)では,次世代郊外まちづくりの関係者や地域の皆さんに呼びかけて,小田原電力見学会を行いました。
東日本大震災以来,全国で市民電力が立ち上がっていますが,たまプラーザでは次世代郊外まちづくり住民創発プロジェクトから,ついに9月26日「株式会社たまプラーザぶんぶん電力」が設立され動き始めました。
私たち,たまプラnetworkは,さまざまなまちづくりプロジェクトをつなぎ応援する住民主導型のネットワークをめざしていますが,今回の小田原電力見学会は,たまプラーザぶんぶん電力の支援企画ともいうべきものです。
小田原市では,東日本大震災による原発事故の後,特産の足柄茶から放射性物質が検出され,一時観光客が激減するなど,大きな痛手を受けました。そこで,かまぼこメーカーや魚市場など地元企業38社が出資して2012年12月「ほうとくエネルギー株式会社」を設立。
市の公共施設「屋根貸し」事業への応募をはじめ,大規模太陽光発電や小水力発電プロジェクトなど,市民と協働で再生可能エネルギーの導入を進めています。
http://www.houtoku-energy.com/

たまプラーザとは,立地も条件も違いますが,百聞は一見に如かず。大規模太陽光発電や学校の屋根貸しを一目見てみよう,小水力発電の話も聞いてみたい,と企画しました。
また,このバス見学会には昨年9月の第1回講評会での認定から始まった住民創発プロジェクトのこの一年の活動を慰労する,慰安旅行的な意味もこめられています。
見学ツアーの最後は,有名な鈴廣かまぼこで創エネ,省エネの工夫を見学した後,地元の食材を使った鈴廣の地産地消レストラン「えれんなごっそ」で懇親会というという計画です。

今回のレポート執筆は,たまプラフレンズ代表で,私の高校の後輩でもある松本茂さんにお願いしました。
当日は,朝バスに乗った時から,小学生のころの社会科見学を思い出したらしく,ハイテンションでニコニコしていたと思ったら,原稿もすっかり小学生になりきって書いてこられました。(小学生のくせにきれいな若い女性に目がいくところがあやしいですが。)
克明なレポートは,参加いただい森ノオトのレポーターさんにいずれ譲るとして,まずは松本さんの愉快な小学生絵日記的レポートをお読みください。(辺見)

スケジュール 
8:30 たまプラーザ出発
10:30 富水小学校 小田原市太陽光発電屋根貸し事業実施施設の見学
11:10 大規模太陽光発電所(メガソーラー)の見学
11:30 わんんぱくランドで昼食
11:50 大正時代の小水力発電所遺構の見学
12:20 小水力発電所遺構 沈砂池跡の見学
(13:05 荻窪用水の見学は時間の都合で中止)
13:30 鈴廣(太陽熱、地熱利用施設の見学)
14:00 小田原電力=ほうとくエネルギー㈱の事業開始までの経緯と今後の計画
質疑応答、説明。
15:00 懇親会(鈴廣えれんなごっそ)

■小学校屋上の太陽光発電システムにメガソーラーの話、昔の水力発電の話、
鈴廣かまぼこの省エネ・創エネの話、すごく勉強になったよ。
いっぱい歩いて、おいしいものをいっぱい食べて、ほんとに楽しい一日だったよ。
小田原写真①
9月19日小田原電力の見学会に行ってきたよ。総勢24人。最高の天気だったな!8:30出発だったけど、10分前には皆集合していました(1人を除いて・・・)。
千葉さん(交流の森)がなかなか来ないので、置いていっちゃおうかなと思っていたら、3分前に到着。東急電鉄の東浦さんと岡本さんは最初の見学地、富水(とみず)小学校で合流です。

定刻の8:30に出発しました。バスの中では、たまプラフレンズの辺見さんと僕が進行役で今日の流れを説明したよ。その後ひとりひとり自己紹介。堀内さん(シェア奥沢)の自己紹介は長かったなぁ。藤井さん(AOBA+ART)は短かった。
平塚パーキングエリアで休憩を取り(僕はお気に入りのバニラと抹茶のミックスソフトクリームを食べました。)予定通り小田原の富水小学校に到着!

お出迎えしてくれたのは、ほうとくエネルギー㈱副社長の志澤さんと富水小学校の穂坂校長先生。志澤さんは一日ずっと一緒だった。早速学校の屋上へと案内されました。屋上には太陽光パネルがたくさん並んでいたな。
なぜ富水小学校にパネルを設置したかというと、小学生の環境教育に役立てたいということと、災害時の避難場所なので電気が来なくなっても、補助電力として使用できるからだって校長先生が説明してくれたよ。他に2ヵ所で富水小学校と同じようにパネルを設置しているんだって。(小田原市太陽光発電屋根貸し事業)

次に行ったのは大規模太陽光発電所。メガソーラーって言うんだ。山道をどんどん登っていったよ。出迎えてくれたのは、地主さんの辻村さん。とっても優しそうなおじさんだったよ。山のずっと向こうまで約20万坪が辻村さんの土地なんだって。すごいな。
さっき学校で見たような太陽光パネルがたくさん並んでいたんだ。事業費は3億8600万円。そのうち1億円は市民の人たちから集めたんだ。10月8日から東京電力に電気を売るんだって。電力会社に電気を売るっておもしろいよね。
その後、辻村さん自慢の見晴らし場所に行きました。小田原の市街地と相模湾が見渡せました。とてもいい眺めでしたよ、辻村さん!
高圧線が邪魔だなとか、喋ってるおじさんたちもいたな。空気読んでよね。
そしてまたまた辻村さん自慢の樹齢300年の杉の木を見せてもらいました。

すぐ近くのわんぱくランドにバスを停めて昼食タ~イム!僕はコンビニでお弁当を買ってきたんだ。3時から鈴廣の食べ放題レストランで懇親会があって,そこでいっぱい食べるから,小さなお弁当にしたよ。

次に行ったのは小水力発電所の跡地(発電機跡)。大正時代に、辻村家の製材所で使う電気を作っていたんだって。ドイツ製の発電機があったんだけど、戦時中に盗まれてしまったんだ。残念だよね。
その後、上流の小水力発電所(沈砂池跡)に行って、記念写真をパチリ!
ここで辻村さんとはお別れ。ありがとうございました。

そして最終見学地,かまぼこの鈴廣さんへ。ここで出迎えてくれたのは、秘書課の小野山さん。とっても美人だったよ。大学を卒業してすぐに秘書課に配属されたんだって。電話番号までは教えてくれなかったな。
そうそう、何で鈴廣っていうか知ってる?明治20年頃、六代目鈴木廣吉さんが、蒲鉾製造を本業として、屋号を「鈴廣」にしたんだって。昔の社長さんの名前だったんだね。今の社長さんも、鈴木博晶さんていうんだ。ほうとくエネルギー㈱の役員さんでもあるんだよ。
鈴廣さんも省エネ・創エネに熱心な会社で、地熱や太陽光を使って、給湯や換気、発電に利用しているんだ。いろいろ見学した後で、レストラン「えれんなごっそ」の2階にあるレクチャー会場へ。ここで、志澤さんから今日のまとめのお話を聞きました。鈴廣の副社長さんもお話してくれたよ。みんな親切にしてくれて本当にいい一日でした。

この後はおまちかねの懇親会!
「えれんなごっそ」は小田原の方言で「いろいろなごちそう」という意味なんだって。お料理と飲み物、おいしかったなぁ・・・。

それにしても今日は、よく歩いたよ。きっとこればビールを美味しく飲むための・・・辺見さんの作戦・・・だったのかも。辺見さんはビールが大好きなんだ。みんなそう言ってたよ。

文/松本茂 写真/辺見真智子

’小田原③
富水小学校の太陽光発電システム
小田原市太陽光発電屋根貸し事業の設置事業者,ほうとくエネルギー(株)により設置されました。
小田原写真②
停電時に自立運転用コンセントから電気を取り出せる仕組み。
発電出力50.96kW 年間想定発電量51,290kWh
富水小学校以外にも2施設に設置されていて年間想定発電量の合計は124,012kWh
’’小田原③
’’’小田原③
ほうとくエネルギー(株)のメガソーラー
(所在地) 小田原市久野字亀甲山
(事業費) 3億8,600万円 資金調達の一部に市民出資を取り入れています。
(発電所概要) 建設面積 約1.8ha (5,445坪)
(設備容量) 984kW
(年間想定発電量) 948.182kWh (約260世帯分の年間電力消費量に相当)
(ほうとくエネルギー(株)見学資料より)
小田原③ー2
小田原④
小田原市久野の山林内にある大正時代に建設された小水力発電所の跡地。
発電機が設置されていた場所。
(所在地) 小田原市久野の山林内
(建設時期) 大正8~12年
(設備容量) 約117kW  (当時)
(用途) 製材所への給電,紡績工場への売電 (当時)
(ほうとくエネルギー(株)見学資料より)
小田原⑥
発電のための水を一時的に溜めておく沈砂池跡で記念撮影。
後列右端がほうとくエネルギー(株) 副社長の志澤昌彦さん。
右から4番目が土地所有者である辻村百樹さん。
小田原⑤
鈴廣かまぼこで太陽光発電システムや太陽熱利用給湯システム,地中熱利用換気システムを見学。鈴廣の鈴木悌介副社長は、「脱原発を目指す経済人」として知られる。自社の省エネ・創エネを進めるとともに、ほうとくエネルギー(株)に出資。