<特別寄稿> 
岡本正義さん(東急電鉄)
下町商店街の散策つき
TOKYO油田見学ツアー
レポート

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■たまプラ油田開発プロジェクトとは・・・
次世代郊外まちづくり・住民創発プロジェクトに認定された15企画のうちの一つ「たまプラ油田開発プロジェクト」(以下,たまプラ油田)。
このプロジェクトは、たまプラーザ地域の家庭や飲食店等で排出された廃食油を回収し,クリーンなバイオ燃料にリサイクルすると同時に発電機の燃料として利用して,その売電収入などでコミュニティバスの運行を目指す企画です。
横浜市と東急電鉄が進めている次世代郊外まちづくりは,2014年度のリーディング・プロジェクトとして「地域のエネルギーマネジメントに向けた仕組みづくり」を推進しており,たまプラ油田の今後の展開に向けても連携・協力を考えています。

たまプラ油田の廃食油リサイクルを担当するのは、墨田区にある株式会社ユーズ(TOKYO油田)という会社です。今回東急電鉄から、たまプラ油田の代表・村田ちさとさんにユーズの工場見学をお願いしたところ、下町の商店街の散策を含めた「TOKYO油田見学ツアー」が企画されました。そこで「たまプラnetwork」の辺見さんにご協力いただき,住民創発プロジェクト参加者の皆さまにもお声掛けをしました。
5月22日の見学ツアー当日は,地域の皆さまと横浜市・東急電鉄合わせて約20名が参加。ユーズの代表・染谷ゆみさんと村田さんに,工場と下町の商店街をご案内いただきました。

世界で初めて廃食油のバイオディーゼル燃料化に成功したリサイクル工場の見学レポートは以下のとおりです。

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■環境にやさしい電気バスで押上駅を出発!
参加者は押上駅で集合です。ガイド役で颯爽と登場の染谷さん。移動には墨田区内循環バスを利用しました。環境に配慮した小型電気バスのその静かな乗心地と外観がとても印象に残りました。

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■下町人情を大切にする,キラキラ橘商店街を散策
循環バスを降りて最初に見学したのは,キラキラ橘商店街。京成曳舟駅から徒歩5分,昭和の風情があふれ,下町人情を大切にしている商店街です。
街路灯をよく見ると,いろいろな種類の風景画がフラッグで飾られています。これは,葛飾北斎の浮世絵「富嶽三十六景」。45基の街路灯の一つ一つに,詳しい説明書きも付けられていました。

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■江戸菓子「砂糖漬」の製法技術を伝える梅鉢屋
次に見学したのは,江戸の技「砂糖漬」を守り続ける唯一の菓舗,梅鉢屋。砂糖漬とは,新鮮な野菜・果物をそのままお菓子に仕立てた野菜菓子のこと。この日はご主人のご厚意により,砂糖漬やお店の歴史,そして実際の厨房で製法・技術について教えていただきました。
砂糖漬けは,江戸時代に農産物・海産物の長期保存を目的として糖蜜で加工したことが発祥と言われていて,漬け物などの「塩漬」に対し「砂糖漬」と呼ばれ出回っていたとのこと。現在では梅鉢屋が,江戸時代からの砂糖漬・野菜菓子の技法を忠実に伝える唯一の菓舗だそうです。

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■油田モール見学。TOKYO油田2017とは?
次に,株式会社ユーズが運営する「油田モール」を見学。油田モールとは,「環境にやさしい21世紀のまちづくり」をテーマに,株式会社ユーズの本社内にオープンさせたマルチ・テナント型のコミュニティスペース。ここで,染谷さんから「TOKYO油田2017」について詳しくご説明いただきました。

「TOKYO油田2017」は,首都圏の家庭や飲食店等で使い終わった廃食油を回収し,二酸化炭素を増やさないバイオディーゼル燃料などに再資源化することで,資源循環型社会をみんなでつくる新時代のリサイクルプロジェクトです。

天ぷら油を日本で一番使うのが東京とのこと。染谷さんは,2017年までに東京で使われたすべての廃食油の再資源化を目標に掲げ,プロジェクト名称を「TOKYO油田2017」としたそうです。

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■廃食油をバイオ燃料に精製する工場へ
そしていよいよ,世界で初めて廃食油のディーゼル燃料化に成功した工場の見学です。工場内に入るとさっそく,廃食油をディーゼル燃料,VDF(ベジタブル・ディーゼル・フューエル)に精製する生産プラントが目に入りました。想像よりもコンパクトなサイズに参加者もびっくり。2畳ほどのスペースしかとらないこのVDF生産ミニプラントは販売もしているそうです。
なお,家庭で出たサラダオイル・ごま油・オリーブオイルなどの植物油,ラードなどの動物性油など,食用の油はすべてリサイクル処理ができるとのこと。

VDFは廃食油の再利用(リサイクル)というだけでなく,硫黄酸化物を出さず・黒煙が軽油の1/3以下と地球にやさしいクリーンなエネルギー。TOKYO油田の回収トラックはすべて,ここで精製したVDF燃料で動いているそうです。
資源の循環と生活環境への貢献を実現する独自の技術と染谷さんの熱い思いが,この工場には詰まっていました。

たまプラーザでも,現在数ヵ所で使用済み食用油の回収を行っています。たまプラーザで集まった油も,この工場で精製されて再資源化されることになります。
ツアーに同行して工場と周辺地域を案内してくださった染谷さんに大変感謝するとともに,この日は,たまプラ油田の成功による資源循環型コミュニティの実現に参加者全員が想いを馳せる一日となりました。

(写真/野渕幹生・岡本正義  文/岡本正義)

<特別寄稿>
たまプラのIT隊長、千葉恭弘さん
桜の街の「マッピングパーティ」

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ネット上で独自の地図を作ろう。
マッピングパーティってご存知ですか?
多分ほとんどの方が知らないと思います。
最近インターネット上で様々な地図サービスが利用できるようになり、自分たち独自の地図を作成しようという動きが地域活動をしている団体でちょっとしたトレンドになっています。身近なところでは地図上に美味しいお店の情報を載せたり、エコ活動や防災活動などを進めている団体では情報の種類別に地図に関連付けて情報を「見える化」しています。
我がたまプラ次世代郊外まちづくり住民創発プロジェクトでもこの新しい表現手段を活動の中に取り込もうと、たまプラーザの街で街路樹マッピングパーティーを企画しました。(交流の森・たまプラnetwork共催)
時期的には桜満開のたまプラーザ桜まつりに合わせて、街歩きとお祭りを楽しみ、同時にマップ登録までやってしまおうという欲張りな企画です。終了後の交流会も目玉の一つです。ウォッチする対象はもちろん桜とユリノキ、とくにたまプラの貴重な資源である桜をこの際、徹底的に調べて記録します。
当日はマップの専門家オープンストリートマップ・ファウンデーション・ジャパン(OSM) の飯田哲氏、シビックテクノロジーの専門家コードフォジャパン(CfJ)の関治之氏、植生の専門家 住友林業の伊藤俊哉氏など、錚々たる方々がサポートにまわります。CfJのメンバーも10名を超える方々がボランティアで参加です。

■桜まつり会場・次世代郊外まちづくりのブース前に集合。
マッピング24月5日イベント当日、雨模様の天気が気になります。10時に実行委員は桜まつりの会場である美しが丘公園に集合。街歩きに必要な地図、グループ登録シート、会場表示サイン、地図登録のマニュアルなど実行委員の大野承さんが完璧に準備してスタンバイ。時折り雨が強く降り、季節外れの寒さに満開の桜も震えているようです。開始予定の11時になると三々五々参加メンバーが集合して来ました。

■世界中で活用されるオープンストリートマップ
スマホを使って地図登録するグループは「デジタル班」、手書きメモ派は「アナログ班」として分け、各班内に4~5名でグループを構成します。各グループには街歩きのコースが割り当てられます。今回のウォッチのポイントは樹木の位置情報、幹の太さ、木の高さや植生の健康状態などを観測します。各樹木にはすでに管理番号(青葉土木事務所)が振られているので、この番号との紐つけもします。
CfJのメンバーをリーダーにして各グループに別れ、マップ記録の手順をレクチャーしてもらった後、グループ単位での行動に移行しました。まずランチをみんなでとる班、スマホやノートを片手に早速街に繰り出す班、子供ごころに帰って遠足の時のようにウキウキしています。
私はデジタル班のBグループに入りました。ここでデジタル班の登録ツールとして使った「オープンストリートマップ」とは何かをOSM JapanのWebサイトから引用すると、「 OpenStreetMap(OSM)は、道路地図などの地理情報データを誰でも利用できるよう、フリーの地理情報データを作成することを目的としたプロジェクトです。誰でも自由に参加して、誰でも自由に編集でき、誰でも自由に利用する事が出来ます。」
Web上にはその他にもマップ機能を提供する幾つかのサービスがあります。代表的なものはGoogle Mapでしょう。これらのマップ機能はライセンス条項が結構きびしく、印刷物に自由に掲載することなどは制限されています。それに対してオープンストリートマップは登録・編集・引用・掲載など自由に利用することができ、OpenStreetMap Foundationにより世界中での活用が進められています。そしてパソコンやスマホなどから簡単にマップ登録ができるように専用の「アプリ」が用意されており、街歩きにはうってつけです。

■樹木の測定は・・・
3マッピングさて、マッピングパーティの開始です。気になっている雨はうまい具合に止んで青空がのぞき始めました。我がBグループには美しが丘公園から伸びている公園通りの右側(通称「桜並木」)が観察地域として割り当てられました。
満開の桜のハイライトエリアです。
マップへの登録はリーダーがもっぱら担当、記録班は木の高さや幹の太さ、管理番号などを書きとめながら証拠写真を撮っていきます。
樹木の位置はスマホのGPS機能で自動的に記録され、樹木の高さは、人が手を挙げた高さがほぼ2mでこれを目安に何倍かを目視で測ります。

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幹の太さは持参のテープで測定します。
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樹木の健康状態のチェックでは、木に苔が生えているとか、空洞化が進んでいるなどの状態を記録します。切り倒されてしまった木の切り株などもしっかり記録に残します。

■途中、美味しいパン屋さんにちょっと寄り道。マッピング6
公園通りの中ほどに天然酵母のパン屋さんを見つけ、ちょっと買い食い。美味しい!
Bグループは進捗具合が速い! 1時間もしない内に割り当てられた区画の測定は終わってしまいそうです。これで終わりかと思っているところで、実行委員パトロール隊に遭遇。
あまりの速さに、「・・・それならあと2区画を実施すべし!」というミッションを与えられました。世の中、甘くない! 新たに駅前通りを東急百貨店の前からイトーヨーカドーの先のブロックまで、気を取り直して再度挑戦。

■ミッション追加・・・東急百貨店の前からイトーヨーカドーまで
マッピング7おかげで、東急の2Fから伸びている歩道橋の上から素晴らしい桜景色が撮れました。桜の高さを測るために歩道橋に上ったのですが、新たな発見をしました。この通りは緩やかな下り坂になっているのですが、桜の高さが上に行くほど低くなっていて、見事に東急百貨店の建物の高さに揃っているのです。設計時点で計画的に配置されたのかな! さて、ヨーカドーの角を廻ると我々のミッションは完了。やっと終わった。
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疲れた身体を引きずってスタート地点の美しが丘公園までたどり着き、ここで記念写真をパチリ!
これがBグループの雄姿です。
皆様お疲れ様でした。

■最後に登録と編集。 楽しかった! またやりましょう!
マッピング10まだまだ最後の工程が残っています。しばらく桜まつりを銘々で楽しんだ後、3時より美しが丘中部自治会館に再度集結。地図上の登録・編集作業です。アナログ班は記録してきたノートからオープンストリートマップに改めてパソコンを使って登録をします。デジタル班はすでに登録済みの樹木データを編集・微調整しながら整えていきます。CfJのメンバーはさすがに慣れています。1時間もしない内に作業終了です。
その後OSMの飯田さんからオープンストリートマップの紹介があり、完成済みのマップが披露されました。OSMから提供されているAPIを使うとマップ自体を自分達好みに編集できそうです。
完成マップ上に見えるグリーンの点(冒頭の写真)が今回のマッピングパーティで登録した観察樹木です。これからもアイディア次第でこのマップを使って楽しいイベントを仕込むことができるでしょう。
最後に住友林業の伊藤さんからグリーンエコロジーのレクチャーがあり、植生の知識の乏しい私には目から鱗のお話でした。
フィナーレは交流会です。これが目的で参加した人も多そう。お酒も入って和気あいあいと、新しい出会いがあり、また他の団体の活動を改めて知ることができ、本当に楽しいひとときでした。サポートしていただいた皆様、ありがとうございました。
最後に全員で集合写真。またやりましょう!8マッピング写真(大野さん)IMG_5885

OpenStreetMap Foundation Japan
http://osm.jp/

CODE for JAPAN
http://code4japan.org/

(写真/千葉恭弘・大野承   文/千葉恭弘)

<特別寄稿>
美しが丘中学校 今年度の卒業生
林 銀次郎さん
中学生が考える未来のたまプラ
「美中プラン発表会」レポート

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「たまプラーザって実は凄いことをしているんだな」

3月7日金曜日、たまプラーザテラス プラーザホールで、僕ら美しが丘中学校の3年生による「次世代郊外まちづくり シビックプライド 美中プラン」のプレゼンテーションが行われました。
この日が来るまで、社会科公民の授業で、未来のたまプラーザをどのような「まち」にしたいか、ということをグループごとに話し合い、それぞれ発表の準備をしてきました。

当日、僕が一番驚いた事は、会場の雰囲気です。
僕や他の生徒達の想像では、会議室のような部屋の中に中学校の先生と保護者、東急電鉄さんの関係者くらいしかいないと思っていました。
しかし実際は、大きなホールの中に一般の方々や大学の先生、石塚計画デザイン事務所の方々、それにカメラマンやメディアの方々までいたのです。びっくりしましたよ。

「たかが公立の小さな中学校がやる事なのに、こんなに本格的なことしてくれるの!?」
その時は、思わずそう感じました。きっと他の皆もそうだったでしょう。

僕らが暮らすこのまちでは、それほどの取り組みをしているんだな、そのことを今まで気がつかなかっただけで、たまプラーザって実は凄いことをしているんだな、とそんな気持ちになりました。
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僕のグループでは「自然を生かす」というテーマで、人と自然との関わりを大事にしたい、ということについて考えてきたことを発表しました。模造紙には伝わりやすいように木のイラストを描いて工夫をしました。発表も上出来だったと思います。

他のグループの発表についても色々と感じたことはあります。
「自然を生かす」や「落ち葉拾い」、「電柱を地下に埋める」、「グルメ活性化」、「ゴミ箱設置」などなど、グループそれぞれのテーマがたくさん出ていたし、同じようなテーマでも、模造紙の書き方や発表内容は様々だったので、どのグループの発表も興味深く聞くことが出来ました。

ですがやっぱり発表の内容よりも、会場に入っただけで感じたあの雰囲気の方が印象に残っています。笑

たまプラーザの未来を担うのは僕ら若者だと思います。今回のプレゼンテーションはとても良い刺激になり、また勉強になりました。ここで学んだことをたまプラーザのまちづくりに役立てていきたいと思いました。

そして、僕たち美中生にこんな素晴らしい場を用意してもらったことに感謝しています。
(文/林 銀次郎)

林 銀次郎 (はやし ぎんじろう) さん プロフィール
1999年生まれ 将来は海外に関わりのある仕事を希望。
好きな食べ物はフレンチトースト(!)

(写真/大野承・辺見真智子)

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▲ポスターセッション
会場に立てかけられたポスターに中学生,保護者,一般来場者などが「いいね!シール」を貼り,素晴らしい提案に投票しました。
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▲各クラスで最も「いいね!シール」数が多かった3つのプラン。(左から1組,2組,3組)

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プレゼン修了後は「いいね!シール」の多かった3提案の代表者が紹介され,東京理科大学の伊藤香織先生が講評。先生や来場者からはお褒めの言葉とともに厳しい質問も出ましたが,3人の中学生たちは見事に答え,会場からは感嘆の声が。

▼グループごとに一生懸命考えた提案と工夫を凝らしたポスターの一部。
石塚計画デザイン事務所・千葉晋也さんの美中出張授業「プレゼンテーション/伝える力を学ぼう」(1月30日)がしっかりいかされています。
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横浜北部防災アイディアソン
若い世代も参加する
新しい防災訓練のかたち


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2月10日(月)、都筑区の東京都市大学横浜キャンパスで横浜オープンデータソリューション発展委員会と青葉区民会議の主催で防災をテーマにしたアイディアソンが行われました。次世代郊外まちづくり住民創発PJからは「交流の森」と「あおばフレンズ」が参加しました。

目次
1.イベント概要
2.アイディアソンの様子
3.主催者からのご案内
4.東京都市大学 上野教授の後日談

1.イベント概要(主催者より) 
これまで横浜オープンデータソリューション発展委員会は、防災に関して、旭区左近山団地周辺で、リスト株式会社、株式会社野毛印刷社、ジオリパブリックジャパン、東京都市大学メディア情報学部上野研究室などと協力しながら防災科学研究所で開発されたオープンソースのweb GISのeコミマップやガリバーマップを用いた防災街歩きを行い、地域における防災データの充実と横浜市のオープンデータである防災データを関連づける活動を行ってきました。

今回は、こうした活動をさらに展開するために以前から防災に関する研究会、街歩きを数多く実施されてきた青葉区民会議の皆さんと防災というテーマを中心としたアイディアソンを行うことになりました。

このアイディアソンでは、eコミマップの他、AR、その他、使えるものは何でも使うことを想定しています。対象領域は、青葉区、都筑区など横浜北部とします。また、アイディアソンは、防災を主なテーマとしますが、地域の魅力発信といったものもテーマにします。

タイムスケジュール
17:00-18:00 アプリ紹介、活動報告、使えるデータの紹介
18:00-19:30 アイディアソン
19:30-20:00 まとめ発表
20:15分頃よりシェアリーカフェ(NPO法人 I Loveつづきが運営するコミュニティカフェ)で交流会

 

2.アイディアソンの様子            image002

冒頭、東京都市大学の上野教授から今回の開催についての趣旨説明がありました。そのあと上野研究室の田村さん(3年生)から「eコミマップ」、「左近山イベント」、「防災家族」、「AR」の紹介がプロジェクターを使って行われました。

eコミマップ
http://ecom-plat.jp/index.php?gid=10457

旭区左近山防災街歩き
http://opendata.mods.jp/sakonyama/

防災家族
https://bousai-kazoku.jp/index.php

ARプロジェクト
http://ueno-lab.com/ar_project/ 

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そのなかで、参加者の関心が高かったのは『すごい避難訓練ゲーム //Race to Survive//』です。もともと「すごい避難訓練」と「防災ボードゲーム」という二つのアイデアを融合した企画で、現在“絶賛開発中!”とのこと。 完成されると各地で防災訓練に採用されるのではないでしょうか。
http://www.slideshare.net/inuro/run-tosurvive

 前半を終えたところで参加者の自己紹介があり、教授、学生、自治体職員、市民活動家、市議など多様な参加者がバランスよくグループに分かれて、防災をテーマにアイディアソンが開始されました。

私のグループでは、「従来の防災訓練は若い世代の参加が少なく、主催者動員型で形骸化しているのではないか」との意見から始まりました。

そして、災害図上訓練のように、シュミレーションゲームなどの手法を取り入れて、若い世代の参画や参加者自身が創意工夫して行動を考える訓練に変えれば、楽しく身に着く訓練になるのではないかという考えに集約されてきました。

具体的なアイディアとして、「心配な独居高齢者や要援護者の安否確認と防災拠点への搬送」や「真冬の避難所(体育館)生活体験」をゲームを取り入れた訓練で体験する。また、いっときの訓練で終わらせずにその体験を持続させるために、自分の分身(アバタ―)をスマートフォンアプリ上につくって、訓練以降もサバイバルさせ、リアルとネットの組み合わせで防災意識を高めるという、学生ならではの発想が盛り込まれました。負けじと市民活動家から、インセンティブに商店街クーポンを発行すれば地元商店振興にもなるというアイディアが加えられました。

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グループごとの発表においても、“ゲーミフェケーション”というキーワードが繰り返し聞かれました。

上野教授から、「横浜市のリスト株式会社が行っているCSR活動『スポーツゴミ拾い』という“ゲーミフィケーション”された街の清掃活動が標準化され高い評価を得ているように、横浜北部からも防災をテーマにした様々な“ゲーミフィケーション”された防災訓練を試みて、それが標準化していければいい」とのご意見や、オープンデータの活用を推進している横浜市政策局の関口さんからは、今回のアイディアを「2/17締切の総務省主催のアプリコンテストへの投げかけ」「2/22の横浜オープンデータデイでの試み」「2/16青葉区民会議『減災講座』で区役所とアイディアを共有して今後の素地づくり」に活かしていきたいと心強いご発言もいただきました。

こうして盛会に終わったアイディアソンのあと、NPO法人 I Loveつづきが運営するコミュニティカフェ(Shairlycafe)に移動して交流会が開かれました。このコミュニティカフェが、また素晴らしい! ぜひ、たまプラーザにも欲しいと切に思うほどの・・・。

⇒2月28日に「交流の森」が見学をする予定なのでご紹介は別の機会に委ねましょう。

ご準備と采配をいただいたオーナーの岩室理事長に感謝申し上げます。
http://shairly.com/

 

3.主催者からご案内

1.「横浜オープンデータデイ」のイベント
2月22日に横浜大さん橋周辺で「横浜オープンデータデイ」が開催されます。

当日は、5つの分科会で、オープンデータを用いた市民参加の様々な企画があります。ぜひご参加ください。青葉・都筑での活動とも連携して、イベント後も横浜全体で盛り上げていければと思っています。
http://yokohamaopendata.jp/?p=187

2.「青葉区民会議 減災講座」
2月16日(日)1時半より青葉区役所4階 会議室

一部 青葉区医師会会長 山本さんより
・「青葉区の災害時応急医療」
・地域防災拠点と医療拠点(現災害時診療定点拠点)との連携など
二部 パネルディスカッション
「つなごう 地域力」
・地域で災害に取り組む人たちを交えて佐藤榮一さんの進行でさまざまな「これはっ!」という取り組みを聞き意見交換をします。
・桂小学校 救援隊-新しい支援の仕組み(山崎誠さん)
・ピッピ保育園  子育て施設と地域(鹿野奈津子さん)
・あざみ野第二小学校 医療拠点訓練も取り入れて!(西本和彦さん)
三部 減災ネットワークあおば を公開します。
・みなさんで創る防災に強いまち「あおば」のためにつながる!!をめざします。あなたの参加がつながりの一歩です。
このあと交流会です。
特別参加があります。
・横浜市政策局からオープンデータを防災へ。
・東京都市大学(上野先生)「防災アプリ eコミマップ」をどう使うか。
などなど、盛りだくさんの一日となります。
ぜひ、お友だち、防災拠点の仲間をお誘いのうえお出でください。

4.上野教授 後日談

昨日の「横浜北部防災アイディアソン」では、私なりに新たに見えてきたことが多かったです。みなさま、ありがとうございました。

世銀防災・減災ハッカソン名古屋会場の最優秀作品のrace to surviveと昨日の防災アイディアソンで、見えてきたというのは、以下のようなことです。
まず、改めて再確認されたことは、すでに青葉区では、青葉区民会議を中心に、避難所シミュレーション、図上避難訓練、医師、看護師を含めたレスキュー体制づくりといったリアルな状況を想定したシミュレーションがかなり行われているということです。

これにrace to surviveのようなある想定、設定、シナリオを入れたゲーム的要素を入れると、シミュレーション自体に、格段と膨らみが出てきて、面白くなるように思いました。

こうした防災シミュレーション・ゲームを考えるとき、スマートフォン・アプリは、アプリとして閉じたものではなくなります。従来ゲーム・アプリとは、どうしても、パソコン、あるいは、スマホの中で完結したものだったと思います。

しかし、防災シミュレーション・ゲームの構成要素は、まず第一に、リアルな街、地域であり、第二に、その街、地域の防災関連のデータです。さらに、そういうリアルなものをベースとしたシナリオであり、さらに、参加者のそこでのアクションです。

こうしたことを見るなら防災ゲームのアプリは、ゲームの一部を構成するにすぎず、すでにあるもののちょっとしたカスタマイズで十分だということにもなります。

例えば、防災科学研究所のEコミマップにその地域の災害関連のオープンデータをアップし、さらに、刻々と変わるシナリオを伝えるチャット・システムだけで、十分かも知れません。あるいは、以上をデータ、情報、シナリオをAR的に表示することも容易にできるでしょう。

近年は、アプリのデザインとは、アプリそれ自体で完結した世界のデザインではなく、新しい活動のデザイン、体験のデザインであるべきということが言われようになりました。そうであるとするなら、デザインすべきものは、アプリそれ自体ではなく、リアルな場所、データ、想定シナリオ、参加者の可能的活動を含んだ一種の拡張現実的な環境ということになると思います。

(写真/政野祐一)

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住民創発プロジェクト第1回講評会開催

「学び」22団体「創発」5団体が認定プロジェクトに

「住民創発プロジェクト-シビックプライド・プロジェクト-第1回講評会」が,9月21日,たまプラーザテラス・プラーザホールで開催されました。
応募の27団体による熱のこもったプレゼンテーションと,その後の厳正な審査の結果,「学び活動部門」で22団体,「創発プロジェクト支援部門」5団体が「次世代郊外まちづくり認定プロジェクト」として認定されました。(撮影/大野承)

[詳細] http://jisedaikogai.jp/report/22/

講評会前夜の会場
講評会前夜の会場
緊張のプレゼンテーション
緊張のプレゼンテーション

ポスターセッション 講評委員の東大大学院・小泉秀樹准教授も各ブースを回って企画者に質問
ポスターセッション 講評委員の東大大学院・小泉秀樹准教授も各ブースを回って企画者に質問

住民創発プロジェクト説明会が開催されます。

基本構想2013で発表された8つのリーディングプロジェクトの1つ「住民創発プロジェクト-シビックプライド・プロジェクト-」の説明会が8月3日(土)、たまプラーザ地域ケアプラザにて開催されます。「住民創発プロジェクト-シビックプライド・プロジェクト-」は地域住民やNPOをはじめとする活動団体、さらには民間事業者の皆さまから広く募集します。その後、講評会を通過した企画提案に対して、次世代郊外まちづくりからの支援金交付(一つの企画提案につき、最大50万円)、専門家による支援体制、住民と民間事業者間のマッチングなど、さまざまな方法を通じて、その活動を支援します。

【詳しくは】

http://jisedaikogai.jp/news/130717/

事前報告会でのアイディア04

「野菜と藤原」(重ね煮)

代表: 藤原 恵美子(ふじわら えみこ)

http://www.yasai-to-fujiwara.com/index.htm

6月8日の『次世代郊外まちづくり基本構想』事前報告会終了後に行なわれた、市民発意のプレゼンテーションのご紹介です。

souhatsu03kasaneni(20130608)